マルサン与太話 ♯14 「夏こそギターサウンドを聴け!」


やあマルサンです。

私はインスト(※)が好きだ。
※インストゥルメンタル。歌のない演奏だけの楽曲。
歌入りのバンドサウンドももちろん好きだが、個人的にギターが好きということもあり、ギタープレイをフィーチャーしたギターインストをよく聴いている。

己のギタリストとしてのアイデンティティを剥き出しにしたエゴ100%のプレイ。
そういったギタリスト達の魅力に惹かれ、好きなアルバムは枚挙に暇がないが、今回はその中でも特に気に入っているアルバムを紹介しよう。

SUSPENDED ANIMATION (2005年) / ジョン・ペトルーシ

超絶技巧派集団であるプログレメタルバンド「ドリームシアター」。その看板ギタリストであるジョン・ペトルーシが2005年にリリースしたソロ作品。

全8曲収録。いずれの曲も長尺(6~11分)というのが「いかにもペトルーシらしいw」ところだが、アレンジの秀逸さから長さなど微塵も感じさせず、ペトルーシの凄さが伝わる作品。

印象的なイントロのリックから流れるようなメロディラインに繋がる「Glasgow Kiss」、逆に(いい意味で)“彼らしからぬ”ジャジーな世界観の「 Lost Without You」等、名曲が多い中でも私が特にお気に入りなのは「Wishful Thinking」。

ジョン・ペトルーシと言えばギター道を追求し続けるストイックなギターモンスターといったイメージもあるかと思うが、この曲で披露しているのは一転してミディアムテンポのバラード。
この泣きのメロディラインが自分的にはドツボで、こういうメロウなフレージングこそ彼の本当の真骨頂なんだよな~、と個人的に感じている。

余談であるが、このアルバムは当時(2005年)はジョン・ペトルーシのオフィシャルサイトでしか購入できなかった。当然ながらサイト内は全て英語。今のように便利な英訳機能などブラウザにはついておらずとにかく苦労した。
結局、オフィシャルサイトでの購入は断念したのだが、諦めきれず色々と探し回っていたところヤフオクで出品者を発見!即、コンタクトを取りなんとか購入できたのだが、海外からの輸送費(?)だとかよく分からない手間賃まで請求され、結局6,000円くらいで購入したのを覚えている。(正規値段は2,500円くらいだったと思う)

そんな苦い昔話を思い出したりしながら、今は簡単にアップルストアで再購入した本アルバムを今でもよく聴いている。

華 (2002年) / 松本孝弘

松本孝弘のソロ作品の中ではキャリア初期(1992年)にリリースされた、若さ溢れるアグレッシブなサウンドの「Wanna Go Home」もかなり好きなのだが、それから年齢を重ね円熟味を増したプレイが聴ける本作品が個人的には最も気に入っている。

東洋人たる自身を意図的に意識し制作されたという本アルバムは、オリエンタルなムードの曲調で占められているが、ジャンル的には幅広く、スタジオミュージシャンそしてB’zというビッグバンドでキャリアを積んできた彼の音楽家としての懐が深さが滲み出ている。

松本孝弘と言えば、やはりギタートーン。
国内外の著名なギタリスト達からの評価も高い絶品の松本トーンは本作品でもその存在感は抜群で、彼独特の指グセから繰り出されるフレージングの妙も相まって聴いていて本当に耳心地が良い。

派手なプレイこそ控え気味だが、逆にそれがよい。弾き倒せばいいってもんではなく、何も弾いていない無の空間に情緒を感じさせるあたりに松本孝弘のプレイ巧者ぶりが光る。

夜更けに物思いにふけながら、濃いめのハイボールでもチビチビ飲りながら聴いていたい作品だ。

エイリアン・ラヴ・シークレッツ (1995年) / スティーヴ・ヴァイ

好きなギタリストを問われれば、私的に間違いなく三本の指に入るスティーヴ・ヴァイ。
それゆえに好きな作品も多くかなり悩むのだが、彼というギタリストを最も端的に現していると感じる本作品をスティーヴ・ヴァイのベストアルバムとした。

全7曲(日本版は1曲ボーナストラック追加で全8曲)と丁度良いボリューム感、さらにTV番組のBGMなどでよく使われたりしてるので、ヴァイ未経験の方にもとっつきやすく聴きやすいと思う。

改めて言うまでもないが、スティーヴ・ヴァイは紛うことなき天才である。
圧倒的なギターテクニックや作曲センスなどミュージシャンとしての非凡な才能はもちろんのこと、突拍子もないユニークなアイデアや、時にみせる奇怪な行動も含め、あまりに常人離れしている。

出来ればヴァイの音楽はライブ映像で楽しんでほしい。なんて言ったらいいんだろう、立ち振る舞いが美しいって言うのかな。ギターを弾く姿に神々しさを感じてうっとりしてしまうのは私だけだろうか。

また余談ではあるが、本アルバム収録のJuice(ジュース)という曲がある。
ブギー調の軽快なアップテンポナンバーなんだけど、私はこの曲が大好きで大昔必死にコピーしようとしたことがある。
だけど、イントロからメインメロディに至るまでヴァイ節全開のスーパープレイのオンパレード。私がヘタッピなのもあるけど、とてもじゃないが完コピなんてできなかった。

それから何かの雑誌の本人インタビューを読んだのだが、当時ヴァイは別のアルバム制作で煮詰まっていて、この曲は気分転換にお遊びでレコーディングした、みたいなことをさらりと語っていて衝撃を受けた。
※記憶がうろ覚えなんで間違ってたらゴメンナサイ

「気分転換でこのプレイ!?この人は別次元だわ」と痛感し、それ以来、私の中でスティーヴ・ヴァイの曲はコピーするものではなく完全に聴くものとなった。

また次回

個人的見解100%の今回のコラム、いかがだっただろうか。
他にも皆さんのオススメなどあれば是非教えてくだされ。

なお単体のインスト曲だけみれば、イングヴェイだのシェンカーだのサトリアーニだの、それこそ無限にあってキリがないので、今回はあくまでアルバムとしての紹介とした。

次回もし機会があれば、インスト曲だけにフォーカスして紹介してみようと思う。

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