マルサン与太話#9「お前たちは悪くない。悪いのは○○だ!」


やあマルサンです。

パチンコパチスロ市場は巨大IP(※)マーケットだ。
※知的財産、いわゆる版権
海物語やジャグなどの自社IPを除けば、ほとんどが既存のアニメやゲーム等のIPを使っているのはご存知かと思う。

中には「エヴァ」「北斗の拳」「牙狼」のように、パチンコパチスロでの大ヒットをきっかけにして、再びコンテンツの価値が見直されるというケースも珍しくない。

しかし、世間の耳目を集め眩いばかりの脚光を浴びたエヴァのようなIPもあれば、当然その陰では鳴かず飛ばずで消えていった例もあるわけで…。

というわけで今回は、残念ながらヒットこそしなかったが、個人的に私マルサンが愛しているIPを語っていこう。

 

CYBER BLUE(サイバーブルー)

「北斗の拳」連載終了後、若干のインターバルを経てジャンプ誌上でスタートした原哲夫による作品。(原作:bob 脚本:三井隆一)
舞台は2305年の遠い未来、植民惑星ティノス。劣悪な環境の中でたくましく生きる少年ブルーが地球行きのチケットを手に入れようと奮闘する物語。

北斗の拳よろしく、敵役が本当に救いようがないくらいのド悪人で、それに立ち向かう主人公達と、この作品の売りである激しい銃撃シーンが原哲夫先生の圧倒的画力で描かれている。

加えて作風が当時好きだった映画マッドマックスの世界観に似ていて、当時中学生だった私の琴線にビンビンに触れまくった。

正直、北斗の拳の終盤はかなりダレた展開で打ち切りに近い形で終わったので(個人の感想です)、サイバーブルーが連載スタートした時は「これだよこれ!原哲夫の漫画は!」といった感じで、私のみならず我々中学校の男子生徒で大流行り。

…だったのだが、世間の評価は今一つ。
どうやら盛り上がったのは私の田舎の母校だけだったようで残念無念の半年打ち切り。

その後、原哲夫先生はご存知「花の慶次」をスタートさせ、奇しくも「北斗」「慶次」という二大巨頭の影に隠れてしまい、サイバーブルーは知る人ぞ知る作品となってしまった。

パチンコパチスロでは2013年にパチンコ、2015年にパチスロ(いずれもSANYO)で登場したが、こちらもヒットには至らず。

パチスロの方は、2種類の擬似ボを連チャンさせていくタイプのAT機で出来としては悪くなかったと思うが、あまり記憶にも残っていないということは、つまり私の中でもそういう印象なんだろう。
しかし、作品自体は個性的なキャラ多数だし派手なアクションシーンも満載なので、演出パターンは豊富で作りやすいと思う。
是非ともSANKYOあたりに再度パチンコ化してほしいと願う次第。

 

QUEEN

時代はまだまだ5号機黎明期だった2006年、アルゼ(現ユニバーサル)より「ROCK YOU QUEEN」が登場した。

ご存知イギリスが生んだ世界的バンド「クイーン」をモチーフにしたパチスロ機。

さすがにこれにはビビった。これを使ってくるかと。

2018年の映画「ボヘミアン・ラプソディ」の大ヒットで今でこそクイーンというバンドは完全に市民権を得ているが、当時はロックファンでもない限りそこまで知名度はなかったと思う。

もちろん、“We Will Rock You”や“伝説のチャンピオン”はCMでもバンバン使われてたし、誰でもサビを知ってるくらい有名ではあったけど、ことバンド自体に関してはそこまででもなかったと思う。(あくまで個人の感想ね)

それがいきなりパチスロで登場したもんだから、そりゃあビビる。
これは想像だけど、たぶん版権料安かったんだろうなぁ。今じゃ絶対無理だろうけど。

さて肝心なパチスロとしてのゲーム性は、リプレイタイムを搭載したノーマル機で設定は1と6のみの2段階設定。

当時はこの2段階設定という、ユーザー/ホールから見て全くメリットのないシステムが流行っていた。
開発期間を短縮でき適合も受けやすいことから、この時代のメーカーの暗中模索具合がうかがい知れる。

ゲーム性のキモとなる主にボーナス終了後に突入するリプレイタイムではコインを減らさずに次のボーナスを狙うことが可能……と言えば聞こえはいいが、逆を言えば純増はほぼゼロということ。

このかったるさがBGMで流れる「BICYCLE RACE」の軽快感と全くマッチしておらず、消化がダルかった記憶がある。

とは言え、リールに「Q・U・E・E・N」図柄を大胆に配置するなどリーチ目などは斬新で楽しめた。
楽曲も有名どころを多数搭載しており、個人的にはお気に入りでちょくちょく触っていた台ではあったが、時代の波の飲まれホールでは長期稼働とは至らなかった。

クイーンというコンテンツ自体は文句なしなので、浜崎や倖田などの歌パチが得意なSANKYOにパチンコでの復活を望みたい。

 

コブラ

※機種画像はSNKプレイモアのパチスロコブラ

最後はコブラ。
左手に銃(サイコガン)を持つ宇宙海賊コブラが、相棒のアンドロイド“レディ”とともに宇宙を駆け巡る、寺沢武一によるSFアクション作品。

賞金首として敵の海賊ギルドに追われながらも、愛車(宇宙船)タートル号を縦横無尽に操り、時には未知の惑星の財宝を狙ったり、時には絶世の美女たちと浮名を流す……もうね、設定が実にカッコイイ。

敵とのバトルではサイコガンを駆使して闘うわけだが、これが当時少年だった私の目にはメチャクチャ格好よく映り、「俺の左腕にもサイコガン生えてこないかな」と真剣に願ったものだ。

そんなわけで私は全般的に寺沢武一作品のファンではあるが、特にコブラの大ファンだ。

余談だがお笑い芸人カズレーザーのコブラ好きも有名。
いつも赤い服を来ているのはコブラのオマージュだし、お手製のサイコガンを左腕にくっつけてのネタを見たことがある方もいるだろう。

そんなコブラ、個性的なキャラが織りなすストーリーはアクションからメロウなシーン、子供心にドキドキしたエロティックなシーンまで実に多彩。
加えて今は亡き前野曜子が唄うミステリアスな主題歌やムーディなエンディング曲は名曲中の名曲。

~背中に纏いつくかげりは 男という名の物語~
こんなにカッチョいいフレーズがあるかよ。

これだけ使いやすいIPをパチンコパチスロ業界としても放っておくわけはなく、今までオリンピア、ニューギン、藤商事、SNK等々数多くのメーカーから登場してきた。

しかしIP権利がそれだけ移り変わるということは、ヒットに恵まれなかったということの裏返しでもある。
これは完全にメーカーの力不足。コブラ悪くない。

コブラが好きだからこそ登場してきた全機種打ってきたと思うが、
「なんでこのリーチでこのシーン?」
「もっとクリスタルボーイ(コブラ最大のライバル)を上手く使えよ」
等々、まるで原作愛が感じられないお粗末な演出だなと感じる台ばかりだった。

特に、液晶すらつけず何故かドラムパチンコで出してきたニューギン。
バカなんか?お前だけは絶対に許さん。

しっかり作り込めば間違いなくパチンコパチスロと相性のいいコンテンツなのに、このまま黒歴史として闇に葬られるのは本当にもったいない。

コブラは出玉性能に特化したマシンと良くマッチすると思うので、ここは是非ともSANKYOにパチンコ化をお願いしたい。

 

最後に

9月20日、個人的に大好きなIPを使ったパチスロ機が全国導入される。

あまりにもGODに寄せたそのゲーム性が早くもネット上では賛否呼んでおり、自分もイチ大ファンとして「やってくれたな、この野郎」という何ともやるせない気持ちだった。
が、一足先に試打させてもらった結果、これが決して悪くはない。


理由は、また次回のホール実戦コラム内(予定)でお伝えしよう。
それじゃ今回はこの辺で。

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